『テーマで巡るイタリア』〜トスカーナ州〜(その5)
【Dolce ~ デザート ~】
《プラート風ビスケットと甘い白ワイン(Cantuccini di Prato con Vin Santo)》
食事の後、食後酒にビスケットを浸して味わうのがトスカーナの習慣、この地方のどこのリストランテやエノテカ、バーに行っても、セットで愉しむ事が出来る”定番中の定番”と言えるドルチェです。
ヴィン・サント(Vin Santo)はトスカーナ地方の代表的な食後酒。文字通り「聖なるワイン」と呼ばれるこのお酒は干しブドウから造る「パッシート(Passito)」と呼ばれるワインの一種です。
取り入れたブドウを陰干しして、レーズン状にしたものを醸造し、少なくとも3年は樽で熟成させたもの。当然アルコール度も糖度も高くなり、口に含むととろっとした甘みが華やかな香りとともに広がります。
https://www.wine-searcher.com/regions-vin+santo
もう一方のプラート風ビスケット「カントゥッチーニ(Cantuccini)」は固めのアーモンドビスケットで、トスカーナ州北部の内陸に位置する中世から続く城塞都市プラート(Prato)の古くからの郷土料理のひとつ。
ビスケット(イタリア語でBiscotto)本来の意味どおり2度焼き「bis(もう一度)+cotto(焼く)」された焼き菓子で、噛んだときの軽やかな音から、「小さな歌」という意味の “Cantocci” が語源です。
このカントゥッチーニはフィレンツェ市内のパン屋さんなどでも小売されていて、手軽に手に入れることができ、日持ちするのでお土産にも向いているそうです。
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カントゥッチーニはしっかり焼かれているだけあって、浸しても崩れにくく、ひととおり食べ終わった後でも十分ヴィン・サントが楽しめたのは意外でした。さらに、ワイン醸造家の瀬戸さんからもヴィン・サントを解説していただき、「テーマで巡るイタリア」ならではの贅沢なひとときでした。